米国が画策していた「中国とのデカップリング」は棚上げ、中国配慮へ
米紙ウォールストリート・ジャーナル(11月27日付)によると、高市発言の数日後、習氏はトランプ氏との電話会談で台湾に対する中国の歴史的主張と世界秩序を管理する米中両国の共同責任を持ち出した。トランプ氏は高市氏に台湾の主権問題で中国を刺激しないよう助言した。
「トランプ氏は台湾問題が習氏と合意した米農家からの農産物購入拡大の約束を含む緊張緩和を危うくすることを望まなかった。中国との貿易戦争の休戦と台湾問題はトランプ、習両氏が来年複数回の会談を控える中、切っても切れない関係となっている」とWSJ紙は分析する。
英紙フィナンシャル・タイムズの米国担当コラムニスト、エドワード・ルース氏は12月16日付で「トランプ氏は技術、エネルギー、安全保障で北京に主導権を渡してしまった。トランプ氏は会談に10点満点で12点をつけたが、うち10点は中国が持っていった」と論じている。
「トランプ氏の貿易戦争の撤回は新時代の幕開けとなった。長年デカップリング(切り離し)が検討されてきたが、米中離婚(断絶)の話は棚上げされた。いわゆるデリスキング(リスク低減)さえも今や疑わしい状況だ」とルース氏は指摘する。