
新型コロナウイルス、環境問題、食料不足、高齢化に医療課題など―21世紀である現在、私たちの社会にはさまざまな課題が横たわっています。しかし、同時に科学分野をはじめ、さまざまな分野における技術の発展は加速度を増し、これら社会課題の解決に向け目覚ましい進歩を遂げつつあります。今社会に横たわる課題と、その解決への道程を知ることが、次なるビジネスチャンス創出に繋がるカギとなります。
本サイト"Future Doors"では、私たちの住む世界を「より健康で、より清潔、より安全な場所」にするべく、サイエンスを中心テーマに最新のトピックや情報を発信し、これからの「未来を開く」ヒントをお伝えしていきます。
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Life Science
肺がん治療におけるがん遺伝子検査の現在地。次世代シーケンサーによる網羅的遺伝子検査のさらなる発展のために
がんは遺伝子が変異することで生じる疾患だが、その変異を標的とした治療薬の開発が進んでいる。肺がんでは現時点で9つの遺伝子変異に対する薬剤が保険適用となっており、これらの変異を特定し、分類分けすることが有効な治療につながる。こうした複数の遺伝子変異を同時に検索するために「次世代シーケンサー」という装置を用いた検査が、がんの診断や治療において欠かせないものになりつつある。
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Healthcare&Medical
大人になってからの食物アレルギーに迫る、魚介類を食べた後のアレルギーはあの寄生虫が原因?
たとえば、大好きだった食べ物なのに、ある日突然アレルギーになって食べられなくなってしまった……このように、大人になってからアレルギーを経験する人がいる。大人のアレルギーの中には、意外なものが原因になることがある。ある患者さんの体験談をもとに、大人のアレルギーの特徴や検査方法を紹介する。
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Life Science
iPS細胞をもとに血小板を量産化
輸血医療の新たな時代を技術が支える
「輸血」に変革が起きようとしている。日本のスタートアップ企業が、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた従来にない方法で血液の成分のひとつ「血小板」をつくり、現状よりはるかに計画的で安定的な血小板輸血を実現させようとしているのだ。「120余年ぶり」ともいえる輸血医療のイノベーションを、独自の研究成果と信頼の装置システムで叶えようとしている。
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Life Science
新しいがん治療「精密医療」の大いなる進歩
“次世代”診断法で遺伝子の異常を網羅的に検査
「精密医療」 - がんの新たな治療法として、がんに関連している遺伝子の異常を網羅的に検査できる次世代シーケンサーを使ったコンパニオン診断が2019年から実施されている。たった一回の検査で複数の遺伝子を調べることで、より短期間での適切な治療薬へのアクセスが可能になった。今後は対応可能ながんの種類、検出対象となる遺伝子変異の拡大が期待されている。
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Healthcare&Medical
繰り返すおなかの不調、若年層で増えている腸の炎症かも?
気軽に受けられる簡便な検査「便中カルプロテクチン」とは
腹痛や下痢が続いて仕事に集中できないのは、たまたま体調が悪いのではなく、腸で慢性的に炎症が起きる「炎症性腸疾患」という病気のせいかもしれない。ここ数年で、炎症性腸疾患の可能性を便検査で予測ことができるようになっている。このような症状に思い当たる人は、まずは保険が適用される簡便な便検査を受けてみてはいかがだろうか。
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Environment
最先端の電子顕微鏡がモビリティの未来を築く
ナノレベルの3次元イメージングで加速するEV電池材料開発
サステナブルな社会の実現に向け、電気自動車(EV)の普及に期待が高まっている。普及の鍵を握るのがバッテリーの性能向上だ。いま主流のリチウムイオン電池や、次世代バッテリーとされる全固体電池の研究開発において、電子顕微鏡を用いた3次元でのイメージングや分析が注目を集めている。電池が持つ複雑な材料構造と、電池として発揮される性能の関わりを理解することで、新しい電池材料を効率的に開発できると期待されている。電子顕微鏡の分野において世界最高レベルを誇るサーモフィッシャーサイエンティフィックの「プラズマ集束イオンビーム走査電子顕微鏡」(プラズマFIB-SEM)が、EV向けバッテリーの材料開発に役立てられ、サステナブルな未来社会の構築に貢献している。
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Safe Society
事件を「解決」に導くDNA型鑑定とその進歩
新技術で外見的特徴まで明らかに? 科学捜査の最前線を追う
個人識別の手だての一つ「DNA型鑑定」。刑事事件の被疑者特定、冤罪の救済、身元不明者の特定など、社会の重要な場面で役立てられており、その技術は日々進歩している。DNA型鑑定について、事件解決の事例、新技術の現状、活用をめぐる取り組みを追った。
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Healthcare&Medical
その花粉症が食物アレルギーを引き起こす
診療を支えるアレルゲンコンポーネント特異的IgE検査
花粉症を引き金に食物アレルギーを発症する「花粉-食物アレルギー症候群」(PFAS)をご存知だろうか。花粉症の症状に加え、食物を食べたあとに口の中がかゆくなるなどの症状が現れる。労働生産性の低下にもつながるため、適切な診断と対処が重要となる。そのため、より精度の高い診断が可能な「アレルゲンコンポーネント特異的IgE」と呼ばれる検査法が用いられている。
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Life Science
「再生医療」が切り拓くがん治療のフロンティア
シーズ開発から商業化までを加速し、より身近な治療法に
再生医療によるがん治療、いわゆる遺伝子細胞治療に代表される技術は、驚くべきスピードで進歩している。国による法整備や予算の拡大に加えて、再生医療の研究開発から製造、商業化までを見据えたソリューションが相次いで登場し、細胞やウイルスなどを用いた製剤の開発が加速しているからだ。再生医療によるがん治療の現状と今後について、ライフサイエンス業界のグローバル・リーディングカンパニー、サーモフィッシャーサイエンティフィック(以下、サーモフィッシャー)に伺った。
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Environment
環境、食糧危機、健康…解決可能なポテンシャルを秘める代替肉
イギリス・グラスゴーで開かれていた国連の気候変動枠組みを決める「第26回締約国会議(COP26)」は2021年11月13日、世界の平均気温の上昇を1.5度に抑える努力を追求するという成果文書を採択して閉幕した。二酸化炭素と並ぶ抑制のカギを握るのがメタンガスだが、牛の飼育などで多く排出されることがわかっている。また、気候変動が続けば食料危機がやってくると言われる。これらの救世主になりえるのが代替肉で、環境、食料危機、健康といった地球規模の課題を解決する大きな役割を担う可能性を秘めている。
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Healthcare&Medical
コロナのエアロゾル感染、事前に探知・防ぐ手段は?
新型コロナウイルスの感染経路として、これまでは飛まつがその1つだったが、厚生労働省は2021年10月に「エアロゾル」(ウイルスを含む微細な粒子)による感染を認めた。これにより3密を防ぐといった従来の感染対策とは違う対策も必要となる。その手段と方法にどのようなものがあるだろうか。
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Environment
海に大気に!知っていますか?「マイクロプラスチック問題」
顕微鏡と分析技術が、深刻なマイクロプラスチック問題の解決を加速する
マイクロプラスチックは「なんとなく知っているけど、解決に向かっているのでは」と思いがちな問題のひとつではないだろうか。千葉工業大学 亀田 豊准教授は「問題が明らかになるのはこれからです」と警鐘を鳴らす。亀田准教授は、水環境中の微量汚染物質(農薬、ウィルス、マイクロプラスチック等)の調査分析方法の開発及びその結果を用いた生態リスク評価をテーマに研究を行っている。亀田准教授にマイクロプラスチック問題について詳しく聞いてみた。
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Safe Society
DX時代の医薬品・食品の品質管理とは
データの欠損や改ざんを防ぎ、生産性の向上にもつながる新たな一手
近年、日本の製造業で品質不正に関する不祥事が相次いでいる。品質不正とは、品質偽装やデータ改ざんなどを指し、特に2017年以降に十数社規模で発覚している。原因を突き止めると、納期を守るため、あるいは目標を達成するために現場や品質管理が“会社や顧客のために仕方なくやった”とするケースが多く、根が深いことが解る。
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Healthcare&Medical
新型コロナワクチン開発を裏側で支えたもの
クライオ電子顕微鏡がウイルスの構造を解明した
世界中に大きな影響を与えた新型コロナウイルスのパンデミック。企業でテレワークが推進されたり、飲食店に時短営業や休業が要請されたり・・・。コロナ下では、さまざまな移動・行動の自粛を求められているが、ワクチンが驚異的な早さで開発されたことも特徴の一つだった。
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Healthcare&Medical
ワクチン接種が進んでもPCR検査が必要な理由
検査体制の拡充は不可欠、検査をしなければ実態がつかめない
日本国内での新型コロナウイルスの感染拡大から時間がたち、感染症に対するさまざまな課題が浮き彫りになった。ワクチン開発の先進国だった日本が今では世界の中で開発競争に出遅れていること、ベッド数は多いが感染症が広まると一気に医療体制がひっ迫するなどだ。
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