中国・習近平国家主席の狙いとは(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
(福島 香織:ジャーナリスト)
中国の日本に対する軍事圧力がエスカレートしている。象徴的なのが、6日に中国の空母「遼寧」打撃群が宮古海峡近くで演習中、艦載機J-15の離発着訓練を行った際に、スクランブルで警戒任務にあたった自衛隊機F-15に火器コントロールレーダーを照射した事件だろう。
その後、遼寧など空母打撃群は日本の排他的経済水域「EEZ」外に出たが、9日には中国、ロシア両軍の爆撃機などが東シナ海から四国沖をかなりの長距離にわたって共同飛行訓練をした。これは東京方面に向かうルートであるそうだ。
9日の中国とロシアの共同飛行訓練は第10回合同空中戦略巡航訓練にあたるものだという。この直前にロシアと中国の間ではミサイル防衛演習も行われていた。
6日に、中国は黄海、東シナ海、南シナ海、太平洋にかけての東アジア海域で、100隻前後の軍艦艇、海警局船による過去最大規模の軍事演習を行っていた。遼寧打撃群の演習はその一環ともいえる。
12日に遼寧打撃群は再び宮古海峡を通り太平洋から東シナ海に向けて航行。6日から12日まで、太平洋で訓練を展開したが、戦闘機やヘリコプターの離発着訓練を260回以上行ったことも確認されている。
この軍事訓練の意味はなにか。日本自衛隊機にレーダー照射した目的はなにか。
そのことについて、中国側がどのように説明しているかを見れば、中国側の軍事的野心が、習近平4期目に向けてよりはっきりしてきたことがわかるのではないだろうか。