2月14日、ミュンヘン安全保障会議でスピーチする中国の王毅外相(写真:ロイター/アフロ)
「中南海」(中国の政界)では、こんな言葉がある。
「王の口は習の口、王の目は習の目、王の耳は習の耳」
「王」とは王毅外相(党中央外事工作委員会弁公室主任・党中央政治局委員)、「習」とは習近平主席(党総書記)のことである。王毅外相は対外的に、習近平主席の考えを述べ、習近平主席が見たいものを見て、また習近平主席が聞きたいことを聞いて報告を上げるという意味だ。王毅外相には独自の外交観などなく、「習近平代理人」にすぎないと揶揄(やゆ)する際にも、しばしば使われる。
アジアの平穏は中国のお陰?
2013年3月に習近平政権が発足した時の閣僚26人(首相含む)で、いまも残っているのは王毅外相ただ一人だ。部長(大臣)ですらいつ失脚するか知れない中南海にあって、習近平主席の揺るぎない信頼を築いているのだ。
そんな王毅外相が、2月14日に吠えた。場所は、世界中の外交・防衛首脳が集結したドイツのミュンヘン安全保障会議の席上である。この会議に日本からは、茂木敏充外相と小泉進次郎防衛相がダブル参加した。
ミュンヘン安全保障会議にあわせて会談を行った茂木敏充外相とアメリカのルビオ国務長官(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
王毅外相が吠えたのは、日本の高市早苗政権に対してだった。最初は「世界でアジアだけは平穏だが、それはタイ・カンボジア紛争を中国が仲裁するなど、中国外交の貢献が大きい」などと、自画自賛していた。
