『2月14日、ミュンヘン安全保障会議にて、中国の参加者から日本政府の安全保障政策への不適切な発言が行われました。茂木大臣からその後のセッションで誤った内容について反論を行い、また、別途外交ルートでも厳正な申入れを行いましたが、中国の主張は事実に反し、根拠に欠けるため、日本政府の立場を改めて明らかにします。

 国際社会には、不透明な軍事力の拡張を長年にわたって続け、力又は威圧による一方的な現状変更の試みを継続的に強化している国もあります。日本はこうした動きに反対し、一線を画しています。戦後、日本の国際社会の平和と安定に対する一貫した貢献は国際社会で広く知られています。

 日本の防衛力強化は厳しさを増す安全保障環境に対するものであり、特定の第三国を対象としたものではありません。台湾をめぐる問題が、対話により平和的に解決されることを期待する立場にも変更はありません。その上で、日中間に懸案と課題があるからこそ、意思疎通が重要であり、日本政府として、中国との対話にはオープンであり、今後も冷静かつ適切に対応を行っていく考えです』

 ようやく日本も、「前に出てきた」。

「対中関係は好転しない」がこれからの前提に

「中国ウォッチャー」として言わせてもらうと、高市自民党が大勝利を収めた後の方が、ある意味、日中関係は悪くなる。なぜなら、高市首相がやろうとしている政策が、実現しやすくなるからだ。

 選挙翌日(2月9日)の記者会見で、高市首相は、今後優先的に取り組む「政策の3本柱」を掲げた。それは、①責任ある積極財政、②安全保障政策の抜本的強化、③政府のインテリジェンス機能強化である。

 このうち②と③は、いわば「中国の脅威への対抗策」だ。具体的には、防衛費増強、安保三文書改正、非核三原則見直し、スパイ防止法制定、国家情報局設立、台湾との連携、憲法改正……。こうした政策が実現に向かう中で、中国がさらなる「対日戦狼(せんろう)外交」(狼のように戦う外交)に出てくるのは必至だ。

 そのため、今後は「中国との関係はよくならない」という前提のもとで、外交を進めていくべきである。換言すれば、中国人の好きな言葉だが、「目を覚まして覚悟を持つ」ということだ。