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「頑張っているのに手ごたえがない」という手探りの経営から脱し、偶然ではなく「狙って勝ち続ける」ための手法。それが、データサイエンスを土台にした「マーケティングサイエンス」だ。『狙って売上を伸ばすデータ分析の思考法』(平尾喜昭著/クロスメディア・パブリッシング)から一部を抜粋。成功を再現させるための科学的なアプローチの本質に迫る。

 広告代理店からの提案をどう評価し、どう判断すればよいのだろうか。KDDIでブランド・コミュニケーション本部長を務める馬場剛史氏との対話から、代理店任せの体制を脱し、マーケティングの「主権」を取り戻すための思考法に迫る。

重厚な分析プロセスを実行する原動力

狙って売上を伸ばすデータ分析の思考法』(クロスメディア・パブリッシング)

平尾 買い替えスパンの長い商材を扱い、時系列の動きを追いながら、全体最適の戦略を考える。そのためにはどんなことが大事でしょうか。

馬場 まず、コミュニケーションには、短期的に購入を促す役割と、中期的なブランディングの役割があります。もちろんわれわれも短期的な販売の支援はしますが、例えば3年後に思い出してもらうためにブランドの記憶を残す、という中期的な視点が特に重要です。

 だからこそわれわれは、その手前にある「お客様の行動や気持ちの変化」に狙いを定めるべきなんですね。KGI(重要目標達成指標)は「ブランド好意」に置いています。これをコミュニケーションでどう高められるのかを追い続けている、といったところですね。

 私がいまの部署に来た当初、メンバーが何を目指すべきかが明確でないという課題がありました。「自分たちはこの役割を担うんだ」と明確にすることが、メンバーの目標設定やモチベーションにもつながると考えています。