写真提供:日刊工業新聞/共同通信イメージズ
「社長の存在は小さいほうがいい」。競争優位が持続しない時代、真に求められる経営者像とは? 『いい経営者は「いい経営」ができるのか』(高家正行著/海士の風)から一部を抜粋。ミスミの成長をけん引し、カインズを6年連続で売上高業界トップへと導いたプロ経営者・高家正行氏が、18年間探究し続けてたどり着いた経営哲学に迫る。
標準化と効率化を突き詰めた分業体制が、いつの間にか社員の思考と自律性を奪っていた…。高家社長が行ったチェーンストアの常識を問い直す大胆な組織改革とは?
自律したリーダーが育つ組織変革
『いい経営者は「いい経営」ができるのか』(海士の風)
カインズの社長就任を引き受けたあと、すぐに取り組んだのは組織改革だった。
前述したように、カインズでは、もともと文鎮型機能別組織であった。調達や物流、販売など、機能ごとに分業する組織体制である。
ある商品を販売するとき、商品統括本部が一括してメーカーから調達する。
買い付けた商品を運び、国内15箇所にある物流センターに入庫し、店舗に配送するのはSCM事業部の役割。商品を店頭に並べ、在庫を管理して販売するのは店舗である。
このような機能的分業体制をとるのは、いうまでもなくオペレーションを標準化・効率化するためだ。
全国約250の店舗が、独自に国内外から商品を取り寄せ、それぞれ物流を管理していては、非効率きわまりない。機能的分業をすることで、各部門担当者の専門性は上がるし、マスオペレーションによって、規模の経済を効かせ(スケールメリット)全体のコストも削減できる。これこそ企業が規模を拡大して享受できるメリットである。






