カインズ 高家正行社長写真提供:日刊工業新聞/共同通信イメージズ
「社長の存在は小さいほうがいい」。競争優位が持続しない時代、真に求められる経営者像とは? 『いい経営者は「いい経営」ができるのか』(高家正行著/海士の風)から一部を抜粋。ミスミの成長をけん引し、カインズを6年連続で売上高業界トップへと導いたプロ経営者・高家正行氏が、18年間探究し続けてたどり着いた経営哲学に迫る。
経営の意思決定に、十分な情報がそろう瞬間はほとんどない。意思決定の質を左右するのは「一次情報」だと語る高家社長は、判断の拠り所を何に求めているのか。
意思決定を日常に組み入れる
『いい経営者は「いい経営」ができるのか』(海士の風)
自律したリーダーには意思決定がカギだと述べた。それは、経営においても、現場においても求められる。そのため、日々働くなかに、誰もが自分で考え意思決定をするという習慣を組み込むことに知恵を絞っている。
自分の意見を表明するのは、誰にとっても勇気のいることである。
自分なりに結論を導き出し、「私はAがいいと思います。なぜなら、〇〇だからです」と意見を言える人間は、自分なりの意思決定を下したことになる。その意思決定が正しかったかどうかではなく、そもそも判断を下すことこそ、価値ある行動である。
意見を出したからといって、必ずしも賛同されるとは限らないし、間違ったことを言って、ひんしゅくを買うこともあるかもしれない。
だからこそ、自分なりに調べ、考え抜くようになる。そして勇気を持って、自分なりの意見を述べた時点で、その人は自律したリーダーに一歩近づくのだと思う。
カインズの組織改革で新たに設置した販売本部、店舗業務本部など7本部には、各々機能分化していた部署が傘下に入った。本部長となったリーダーは、それまで椅子のパーツしか見ていなかったところから、モジュールくらいまでを見るようになる。モジュールの最適化を図ろうとすると、各パーツごとに最適化するだけではうまくいかないことに気づく。それを解決し意思決定するのが本部長の役割である。






