日刊工業新聞/共同通信イメージズ
「社長の存在は小さいほうがいい」。競争優位が持続しない時代、真に求められる経営者像とは? 『いい経営者は「いい経営」ができるのか』(高家正行著/海士の風)から一部を抜粋。ミスミの成長をけん引し、カインズを6年連続で売上高業界トップへと導いたプロ経営者・高家正行氏が、18年間探究し続けてたどり着いた経営哲学に迫る。
DX成功企業として注目されるカインズ。ほぼゼロからのスタートでなぜ変革が一気に進んだのか。高家社長が「3つの要諦」を明かす。
変革のメリットを感じると人は動き出す
『いい経営者は「いい経営」ができるのか』(海士の風)
カインズでは、2018年に「IT小売企業宣言」を掲げていたが、社長に就任した2019年時点では、EC担当者が数名いるくらいで、ほとんど手つかずの状態だった。
社長就任と同時に、デジタル戦略本部を立ち上げ、当初私が本部長を兼任した。
3年間で100億円超の投資予算を設定し、エンジニアなどデジタル人材の採用を100人規模で進めた。
大がかりな投資だが、最初の変化は、「Find in CAINZ(ファインド・イン・カインズ)」という一つの小さなサービス機能の開発だった。商品を検索すると、店舗のどこに陳列されているのか表示されるシンプルな機能である。
カインズは大型店舗が多く、売り場面積は平均1万平方メートル、大型店では2万平方メートル近くになる。そこに10万点以上の商品が並んでいるので、お客様はお求めの商品を探すのもひと苦労である。
そのため、メンバーが店頭で受ける問い合わせの8割は「この商品はどこにあるか」というものだった。






