カインズ 高家正行社長日刊工業新聞/共同通信イメージズ
「社長の存在は小さいほうがいい」。競争優位が持続しない時代、真に求められる経営者像とは? 『いい経営者は「いい経営」ができるのか』(高家正行著/海士の風)から一部を抜粋。ミスミの成長をけん引し、カインズを6年連続で売上高業界トップへと導いたプロ経営者・高家正行氏が、18年間探究し続けてたどり着いた経営哲学に迫る。
変革に成功した企業ほど、次の成長が鈍化する――。このジレンマはなぜ起きるのか。高家社長がとった壁を乗り越えるための「打ち手」とは?
変革の先に組織の思考停止が待ち受ける
『いい経営者は「いい経営」ができるのか』(海士の風)
少し種類は違うが、俗に言う「大企業病」も、同じような「性(さが)」の類いだ。
企業は成長を止めることはできない。成長を止めること、もしくは縮小していくことは、業績や規模の話に留まらず、社員にとって働く機会を減らし、会社全体が負のスパイラルに陥る。企業にとって、スピードの違いこそあれ、成長は不可欠だ。
大企業病とは、そのように企業が成長を追い求めることで生じる歪みである。事業が順調に推移し、企業の規模が拡大していく。それ自体、企業として望んだ方向に進んでいるにもかかわらず、組織の規模が大きくなることで新たな問題を生み出すとは、なんとも皮肉だ。これもどの企業も経験する。
その症状はさまざまあるが、
- 周囲に無関心で、自分の仕事にしか目を向けない
- 安易に前年を踏襲し、新たなチャレンジをしない
- 感謝したり成功を誉めたりせず、逆にミスを許さない
- 意思決定が遅く、責任の所在がはっきりしない
- 上司の意向を気にし、顧客のほうを向かない






