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デジタル技術の進展により、企業のグローバル進出が比較的容易になってきている。その一方で、ビジネスモデルを現地市場にそのまま移植するだけでは失敗につながるケースも多く、本社主導の統合と現地適応を両立する「ルースカップリング」の戦略が注目され始めている。本稿では『デジタル多国籍企業』(サティッシュ・ナンビサン、ヤドン・ルオ著/NTTデータ・コンサルティング・イニシアティブ訳/東洋経済新報社)から一部を抜粋。分断化が進む世界で、グローバル展開を持続的に成功させる術を探る。
インド市場でウーバーを追い抜いたオラ。その差を生んだ決定的な要因とは。
デジタルネイティブのグローバル企業
――持続可能なビジネスモデルの追求
『デジタル多国籍企業』(東洋経済新報社)
「デジタルネイティブのグローバル企業」とは、生まれながらのデジタル企業であるのみならず、生まれながらのグローバル企業、つまり事業やサービスにおいてデジタル技術を基盤に創業し、設立当初から迅速な国際化を追求している企業のことである。
エアビーアンドビー、オラ、ウーバーのようなシェアリングエコノミー企業から、ネットフリックスやZoomのような技術企業まで、デジタルネイティブのグローバル企業の例は、今日の私たちの経済に数多く存在している。
デジタルネイティブのグローバル企業の特徴は、多様な海外市場で迅速に足場を築くために、デジタル技術を導入または活用したビジネスモデルに依拠していることだ。2008年に設立されたエアビーアンドビーは、わずか10年足らずで191カ国以上に事業を拡大しており、2010年に設立されたウーバーも、8年ほどで63カ国以上に進出している。デジタル技術にもとづいたビジネスモデルの移植性が、これらの企業の急速な国際化を可能にしたといえるだろう。
一方で、海外市場の独自性を考慮することなく、単にデジタルビジネスモデルを新たな市場に移植するだけでは、重大な悪影響をもたらす可能性がある。






