ロイター/共同通信イメージズ
「頑張っているのに手ごたえがない」という手探りの経営から脱し、偶然ではなく「狙って勝ち続ける」ための手法。それが、データサイエンスを土台にした「マーケティングサイエンス」だ。『狙って売上を伸ばすデータ分析の思考法』(平尾喜昭著/クロスメディア・パブリッシング)から一部を抜粋。成功を再現させるための科学的なアプローチの本質に迫る。
「マーケティングは仮説思考の営み」と語る、リクルート マーケティング室室長の石井智之氏。短期の成果と中長期の投資という、現場で常に平行線をたどる議論をデータでどう統合し、最適解を導き出すのか。データ分析による意思決定に迫る。
観点の違う複数のファクトをまとめて解釈する
『狙って売上を伸ばすデータ分析の思考法』(クロスメディア・パブリッシング)
平尾 石井さんは、マーケティングにおけるデータ分析の必要性や役割をどのようにお考えですか?
石井 基本的に、マーケティングは仮説思考の営みだと考えています。仮説が正しいのかを判断するためには、ファクトとなるデータに基づいた解釈が必要で、そのアプローチがマーケティングにおけるデータ分析です。
マーケティングの現場では、「これはどうして起きたんだろう?」「次に何をすべきか?」を考える場面が多々あります。自分がやろうとしていることの正しさを、周りに説明しないといけないシーンも多い。「なぜ、それをやったほうがいいと言えるのか?」という問いに答えるためには、まず仮説を立てて、それがどれだけ正しいのかを確認する必要があります。
平尾 「仮説が手前にある」というのが本質ですよね。特に生成AIが登場してからは、そうした基本がおざなりになっていると感じます。
石井 そうですね。それに、何かが確定するのを待ってから動くのでは、どうしても時間がかかってしまいますよね。それより「多分こうだろう」と仮説を立てて動くほうが速い。言ってみれば、自分で時間を早送りする行為がマーケティングの本質だと考えています。







