写真提供:日刊工業新聞/共同通信イメージズ
「社長の存在は小さいほうがいい」。競争優位が持続しない時代、真に求められる経営者像とは? 『いい経営者は「いい経営」ができるのか』(高家正行著/海士の風)から一部を抜粋。ミスミの成長をけん引し、カインズを6年連続で売上高業界トップへと導いたプロ経営者・高家正行氏が、18年間探究し続けてたどり着いた経営哲学に迫る。
成果が出るまで、社員はついてきてくれるのか――。平時の改革でこそ問われる「いい経営者」の3つの素養とは?
変革で試される経営者の胆力
『いい経営者は「いい経営」ができるのか』(海士の風)
カインズで3カ年の中期経営計画をスタートすると同時にデジタル戦略本部を立ち上げ、100億円もの投資を宣言したとき、デジタル化に消極的なメンバーも少なからずいたと思う。
なぜ、そんなことをしなくてはいけないのか。
長年、お客様へリアルの店舗で販売して、増収増益を達成してきた。お客様も満足しているはずだ。これまでと同じやり方でいいではないか。なぜ、わざわざデジタルに投資する必要があるのか。なぜ私たちが変わる必要があるのか。
もちろん、役員クラスには、何度も議論・説明した。だがカインズのメンバーは、パート・アルバイトを含めて2万人を超える。全店舗を回り、一人ひとりに納得してもらう時間はなかった。
変革を開始しても、すぐに成果は出ない。すぐ成果が出るようなものは、それは変革ではなく改善だ。一方で、変革には先行投資が伴う。投資なくして変革などまずできない。






