写真提供:日刊工業新聞/共同通信イメージズ

「失われた30年」と言われる日本経済。しかし、逆境下でも成長し続ける企業がある。彼らはなぜ躍進を続けるのか。停滞する企業との決定的な違いは何か。184社の日本企業の業績を基に、強い企業の共通点を導き出した『高成長体質になる』(日経BP)から一部を抜粋。高い成長率を誇る企業が備える「組織能力」を解き明かす。

 2000~2023年の業績分析では、経営危機に陥った企業の約7割がV字回復していた。高島屋や安川電機に共通する、有事に強い日本企業の本質とは何か。

「高成長が止まらない企業」に着目する

高成長体質になる』(日経BP)

 日本経済や日本企業が長く苦境に立たされている要因は何か。シンプルに考えれば「変われない」からだろう。この30年、経済、産業、社会の構造は大きく変わった。AIなどデジタル技術の進展、グローバル化の深化、環境問題の深刻化、価値観の多様化など、あらゆる面でさまざまな変化が起きた。

 その変化に対応した企業は厳しい環境の中でも競争力を維持し、成長を遂げることができた。一方、旧態依然として変われないままの企業は、停滞、低成長、衰退の泥沼から抜け出せない。多くの企業が変われないまま、苦境に立たされている。

 だが、ここで素朴な疑問が生じる。メディアでは業績回復に成功した企業がしばしばとり上げられる。彼らは変わることができているのではないか。

■ 実は、「有事」に強い日本企業

 そこで、2000年から2023年までの日本企業の業績を分析してみた。対象としたのは、日経平均株価を形成する東京証券取引所上場の代表的日本企業225社のうち、この期間のデータがそろう184社である。