10月30日、韓国・釜山で首脳会談を行った習近平主席とトランプ大統領(提供:The White House/UPI/アフロ)
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[ロンドン発]ドナルド・トランプ米大統領は11月5日、ホワイトハウスでの共和党上院議員らとの朝食会で、韓国・釜山の韓国空軍基地内で行われた米中首脳会談の様子を振り返った。中国の習近平国家主席は両脇に6人の高官を従えていた。

「あんなに怯えきった男たちは人生で見たことがない」

「私は彼らの1人にコメントしたが、何の反応もなかった。あんなに怯えきった男たちは人生で見たことがない。わが国の副大統領に相当する人物がいて『私の質問に答えるつもりはあるの』と尋ねても、彼は微動だにしなかった。習氏は『全ての質問には私が答える』と遮った」

 習氏の両側には中国共産党中央書記処常務書記と党中央弁公庁主任を兼ねる政治局常務委員の蔡奇氏(党内序列5位)と、政治局委員兼外相の王毅氏が座っていた。権力を掌握したあと「大粛清」を行った独裁者ヨシフ・スターリンと同じ手法で習氏は部下を震え上がらせている。

10月30日、韓国・釜山でトランプ大統領と会談した中国の習近平主席と、トランプ氏が指摘した「怯えきった男たち」(提供:The White House/UPI/アフロ )

 習氏に権力が集中し過ぎて政策は歪められ、恐怖による内部の忖度競争が過剰反応を引き起こす。高市早苗首相の台湾有事発言に中国が経済的威圧策を繰り出すだけでなく、中国軍機が自衛隊機にレーダー照射を行ったのもこの構図から説明できる。日本は過剰反応する必要はない。