記者会見する中国外務省の郭嘉昆副報道局長(写真:共同通信社)
[ロンドン発]英誌エコノミストは「中国は自分たちの利害に反した国の罰し方を心得ている」(12月8日付)と題して経済的威圧手段を使う中国の巧みな「お仕置き部屋外交」について分析している。それによると、中国の外交的怒りは「保存の法則」に従っているという。
外交的に不満の対象となる国には貿易・観光・文化交流を通じて経済的圧力
「その総量は一定だが、標的が変わる。カナダや韓国が中国の『お仕置き部屋』からようやく出てきたかと思うと、日本が再びお仕置き部屋に入れられている」「ドナルド・トランプ米大統領とは異なり、中国は経済的影響力を使う『闇の魔術』に長けている」という。
11月上旬、高市早苗首相が「例えば台湾を完全に北京政府の支配下に置くためにどういう手段を使うか。戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得る」と国会答弁したことをきっかけに中国は経済的威圧策を次々と発動した。
中国が外交上の不満を持つ国に貿易・観光・文化交流を通じて経済的圧力を加える行動は「経済的威圧」「貿易の武器化」として研究対象となってきた。オーストラリアの研究者らが中心となり、公開データベースが整備されてきた。
