12月9日、米東部ペンシルベニア州マウントポコノで演説するトランプ大統領(写真:ロイター=共同)
[ロンドン発]ドナルド・トランプ米大統領は米政治メディア、ポリティコ(12月9日付)のインタビューで欧州の同盟国について「今のまま進んでいけば多くの国がもはや国として存続できなくなる」とこき下ろした。ウラジーミル・プーチン露大統領が米欧の分断に笑っているのは間違いない。
トランプ外交が国内政治の延長として扱われているのは前回のエントリーで指摘した通り。トランプ外交は国益のために設計されるのではなく、国内の右派ポピュリズムとリベラルの対立を深め、トランプ氏の支持基盤を強化する舞台装置として機能している。
「欧州の移民政策は惨事だ。破滅的だ」
トランプ氏はインタビューで欧州の移民政策をやり玉に挙げた。「欧州の移民政策は惨事だ。破滅的だ。米国にも災害が迫っていたが、私が食い止めた。今や国境を越えてくる人間はいない。以前は月に数百万人の場合もあったがゼロになった。欧州の状況はそれとは違う。真逆だ」
南部国境を越える不法移民は激減したが、ゼロにはなっていない。
「世界中のあらゆる場所から人が入ってきている。欧州の指導者はポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)を維持したいと思っている。実際にはそれは政治的に正しいことの真逆だと私は思う。欧州はやって来た人々を元の国へ送り返そうとしない」(トランプ氏)