約600点の警察・検察「証拠隠し」

 証拠開示をめぐっては、袴田事件で警察・検察の「証拠隠し」が明らかになっています。事件発生から42年後の2008年に申し立てられた第2次再審請求のなかで、検察側がそれまで明らかにしていなかった証拠約600点を初めて裁判所に出したのです。

図:日本弁護士連合会の資料などからフロントラインプレス作成
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 40年以上も経過して出てきた“新証拠”。そのなかには死刑の確定判決を覆す証拠も含まれていました。

 確定判決では、犯行時に袴田さんが着用していたズボンのサイズは「B」とされていましたが、新証拠によると、Bはサイズを示すものではなく、実際のサイズは細身の「Y体4号」だったというのです。

 ボクサーだった袴田さんには小さすぎるサイズ。これも冤罪を物語る有力な証拠となりましたが、長期間、被告・弁護側と裁判所を欺いてきた検察側は強い非難を浴びました。