バイデンとトランプ「米史上最悪のTV討論会」、米有権者の評価は?
視聴者がやはり気にしたバイデンの高齢、奥の手はオバマ副大統領か
2024.6.29(土)
高濱 賛
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トランプ、「インフレが米国を殺す」
11月の米大統領選で再対決が見込まれる民主党のジョー・バイデン大統領(81)と共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が27日、第1回候補者討論会*1に臨んだ。
*1=主催は共和党寄りFOX、民主党寄りMSNBCではなく一応、中立を標榜するCNN。会場はアトランタのCNN本社。時間は90分。2020年の大統領選で両氏は9月と10月の討論会で2度対決した。1回目は罵声が飛び交い、米メディアから「史上最悪」と評価された。今回は両陣営の事前合意により、無観客で、発言中は相手のマイクを切る独自ルールが適用される。事前に書いたメモの持ち込みは認められない。(タイミングのいい野次、罵倒など不規則発言をしてきたトランプ氏にとっては「武器」を取り上げられた、と皮肉る向きも少なくない)
(cnnpressroom.blogs.cnn.com/cnn-to-host-2024-election-presidential-debate-between-president-joe-biden-and-former-president-donald-j-trump-on-june-27)
メディアは、この討論会で政策はもとよりパフォーマンスでもどちらが勝つか注目した。
トランプ氏は開口一番、「インフレが米国を殺しつつある」とバイデン政権の経済政策を糾弾し、返す刀で不法移民の増加によって「国境は世界で最も危険な場所となった」とバイデン氏の移民政策を非難した。
これに対してバイデン氏は、トランプ氏を「有罪評決を受けた重罪犯」と呼んで挑発した。
特に、これからトランプ氏の刑事罰を審理する連邦裁判の一つである2021年1月6日の連邦議会襲撃事件に関して、トランプ氏が支持者をそそのかしたと指摘した。
さらに、7月11日に量刑が下りる不倫口止め料不正処理事件も攻撃材料にして、「刑事被告人・トランプ」を有権者に強く印象付けた。
と、ここまでの応酬は予想された通りの攻防で、その間、トランプ氏は何回となくバイデン氏を「嘘つきだ」と繰り返した。
トランプ氏は、モデレーターの質問にまともに答えず、無関係なテーマを持ち出しては「壊れたレコードのように滔々と喋りまくる」(米記者)場面が目立った。