ラスベガスで演説するトランプ前大統領(左、6月9日)とホワイトハウスで演説するバイデン大統領(6月4日)、写真:AP/アフロ

重罪犯vs犯罪者の父、初のテレビ討論

 ドナルド・トランプ前大統領を「重罪犯」と罵っていたジョー・バイデン大統領だが、次男ハンター氏が銃不正購入・保持で有罪評決を受けたことで「目くそ鼻くそを嘲笑う」格好になってしまった。

バイデン氏は次男を大統領特権で恩赦はしないと言い切っている)

 トランプ氏は、ここぞとばかりにバイデン一家を「犯罪一家」だ、と一転反撃に出ている。

 6月27日には両者は初のテレビ討論(CNN)を行う予定で、「脛に傷を持つ者同士」の激しいやり取りが予想される。

 米国民の7割から「させたくない大統領候補」と烙印を押されている両氏は、民主、共和両党が敷いたレールの上をここまで歩いてきた。

 かたや4つの裁判で「刑事被告」で判決を待つ「唯我独尊の型破りな政治家」、かたや史上最高齢の大統領候補として再選されたとしても職務が全うできるかが危ぶまれる後期高齢者。

 米国という国家の、膠着した二大政党の体質と保守・リベラル間に生じた分裂状態が生み出した異常な大統領選びとしか言いようがない。

 各種世論調査を見ると、トランプ氏が小差でリードしている。

 しかし、これはあくまでも瞬間風速的な支持率で、必ずしも有権者が11月5日にトランプ氏に投票するかどうかは分からない。

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