新旧e-Powerを日産のテストコースで乗り比べた(写真:筆者撮影)

4月から新経営体制に移行する日産自動車。事業再生のカギとなるのが、日産独自のハイブリッドシステム「e-Power」の次世代化である。新経営体制発足を前に、日産は報道陣向けに第3世代e-Powerを搭載したプロトタイプ車両の試乗会を開いた。筆者は第2世代e-Power搭載車にも試乗し、新旧e-Powerを比較した。はたして、どんな違いがあるのだろうか。

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 まずは、技術的な観点でハイブリッド方式を説明する。

 ハイブリッドとは、2つ以上の動力装置を融合させるシステムを指し、一般的には大きく3つの方式がある。エンジンで発電しモーターで走る「シリーズ方式」と、主にエンジンで走るが補助的にモーターを装備した「パラレル方式」、エンジンとモーターの両方で走る「シリーズパラレル方式」だ。

 ハイブリッド車の代名詞的な存在であるトヨタ自動車の「プリウス」や、ホンダのe:HEVなどがシリーズパラレル方式にあたる。

 また、トヨタのプリウスや「RAV-4」、そして三菱自動車「アウトランダー」などのPHEV(プラグインハイブリッド)は、外部から充電、また外部への給電機能があり、ハイブリッドの3方式とは分類の考え方が違う。

 こうした各種ハイブリッド方式の中で、e-Powerが採用するシリーズ方式は珍しく、これが日産のハイブリッド車の特徴となっている。

 では、なぜ日産はシリーズ方式を採用しているのか。