新築・中古ともに「高嶺の花」となっているマンション(写真はイメージ、Andrii Yalanskyi/Shutterstock.com)
JBpressで掲載した人気記事から、もう一度読みたい記事を選びました。(初出:2025年6月20日)※内容は掲載当時のものです。
マンション価格の高騰で、平均的な会社員の収入ではマンションを簡単に買えなくなっている。年収1000万円でも東京23区内でのマンション購入は難しくなっているが、戸建住宅なら都心でも購入が可能だ。マイホームの所有に当たっては、年収に応じてエリアや物件形態の見直しが必要になっているのかもしれない。住宅ジャーナリストの山下和之氏がレポートする。
年収の7、8倍は当たり前の高額物件が続々
年収の何倍で住宅を買えるのかを示す「年収倍率」。かつては、資金計画にゆとりをもって安心して買えるのは、年収の5、6倍の物件までと言われたものだが、このところの住宅価格の高騰で、それでは簡単に購入できなくなっている。
資材価格や人件費の高騰などによって、首都圏では新築マンションの価格が平均で8000万円を超え、東京23区では1億円超えとなっている。そのため、いまや年収の7、8倍は出さないと新築マンションは買えない、資産価値の高い高額物件は年収の10倍以上は必要──とも言われるほどだ。
事実、新築住宅を買う人の年収倍率は、【図表1】(住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」)にあるように新築の分譲マンションで年収の7倍台後半、建売住宅でも7倍台前半となっている。これは2023年度に購入した人のデータのため、2024、2025年度に買った人、あるいはこれから買う人はもっと倍率が高くなっているはずだ。
ただ、今の時期は多少無理をしてでも購入した方がいいのではないかという考え方も強くなっている。今買っておけば、購入した物件の値上がりが期待できるため、最悪の場合、売却すれば購入時価格より高く売れる可能性が高いというわけだ。

そこで不動産情報会社の東京カンテイの最新データから、年収帯別にどのエリアでマイホームが手に入るのかを見てみよう。