年収に合わせたエリア選びが大切に

 以上のように、年収1000万円未満では23区では取得が容易ではないが、年収が1000万円に達すればだいぶ状況は変わってくる(【図表7】参照)。

 それでも、やはり都心は高望みなので、あまりお勧めできないが、都心以外なら、23区でもさほど無理なく買えるようになっている。年収によって適切なエリア選びが大切になってくるわけだ。

 どうしても価格帯の高いエリアにこだわるのであれば、ひとまず少し専有面積の狭い物件を取得しておき、購入後に値上がりを待ってより広い物件への買い替えを考えるといった対応を考えるのも一つの手かもしれない。

【山下和之(やました・かずゆき)】
住宅ジャーナリスト。住宅・不動産分野で新聞・雑誌・単行本などの取材、原稿制作、各種講演、メディア出演などを行う。『住宅ローン相談ハンドブック』(近代セールス社)、『はじめてのマンション購入絶対成功させる完全ガイド2022─2023』(講談社ムック)などの著書がある。