年収別に見る「70m2」の中古マンションを安心して買えるエリア

 とはいえ、中古物件でもいいから利便性の高いマンションを購入したいという人は多いだろう。

 そこでマンション情報の「マンションレビュー」を運営するワンノブアカインドのデータ(2025年4月 全国中古マンション相場推移 データ集)から、年収別に、70m2の中古マンションがどのエリアで買えるかを見ていこう。このデータは、23区をエリアごとに細分化しているので、希望に合わせてエリアの買いやすさなどを細かくチェックできる。

 まず年収600万円では、グリーンの安全に買えるエリアは、都下や、さいたま市・川口市といった埼玉県の主要都市、市川市・船橋市・浦安市など千葉県の主要都市に限られる。神奈川県の横浜市や川崎市は注意が必要なブルーエリアで、やはり東京23区はかなり高望みのエリアとなっている。

 ただ、5年前、10年前の同じデータと比較すると、23区以外の城東(台東区、墨田区、江東区、葛飾区、江戸川区)、城西(中野区、杉並区、練馬区)、城北(文京区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、足立区)であれば注意しながら買えるエリアだった。また横浜市、川崎市も3年前、1年前なら多少無理をすれば購入できた。

 それが、今では中古価格も高騰しているため、2025年には超高望みのエリアになっている。買えるときに買っておくという、購入のタイミングがいかに大事であるかが分かるデータと言っていいだろう。

 また、年収800万円になると【図表6】にあるように、グリーンやブルーの安心して買える、あるいは注意しながらも購入できる範囲が増えてくる。

 パープルやレッドの高望みエリアは23区の中でも価格帯の高い都心や城南(品川区、目黒区、大田区、世田谷区)、城東エリアに限られ、城西や城北なら多少無理をすれば年収の7倍台でも買えるようになる。都下や埼玉、千葉、神奈川はグリーンの安全な購入エリアになる。

 とはいえ、10年前なら都心でも頑張れば買えるブルーのエリアだったため、この時に頑張って買っておけば、今ではマンションの資産価値は2倍、3倍になっていたはずだ。