「口止め料」裁判14日目の法廷(5月9日、提供:ロイター/アフロ)

安っぽいアダルト映画の情事シーン

 ドナルド・トランプ前米大統領が不倫口止め料の記録を改竄した罪に問われている裁判で、不倫相手のポルノ女優ストーミー・ダニエルズさん(45)が5月7日と9日、検察側の証人として初出廷した。

 トランプ氏の弁護士の反対尋問に、トランプ氏との出会いや関係について微に入り細に入り暴露した。

 前大統領とわずか数メートルしか離れていない状況で、ダニエルズさんはトランプ氏との「初夜」の様子を再現し、体位、コンドーム不使用、性交時間などまるでメモを取っていたかのように詳細に述べた。

vox.com/stormy-daniels-trump-hush-money-case

 法廷では撮影や録音は禁止されていたものの、主要メディアは手練れの記者を取材に当たらせ、その内容を一字一句報じた。

 政治サイト「Gzero」は、「Stormy Embarrassments」の見出しでダニエルズ証言報道をとらえてこう書いた。

「『いわぬが花』(Better left unsaid)という諺があるが、メディアの扱いはまさにステーブ・バノン(元トランプ大統領首席戦略官がかつて言っていた『馬糞の川流れ』(Flooding the zone with shit)だ。我らの政治(報道)文化はどうなってしまったのだろう」

gzeromedia.com/stormy-embarrassments-about-the-wrong-things

 特に見ものだったのは、トランプ氏を弁護するイエール大卒のベテラン女性弁護士スーザン・ネチレス氏と、業界25年、200本以上のアダルト映画に主演した「ポルノの女王」との対決だった。

ネチレス:みんなでっち上げでしょ。おカネが欲しいために嘘八百を並べ立てているんでしょ。

ダニエルズ:言ってきたことは実際に起こったことよ。宣誓して証言しているのよ。

ネチレス:トランプ大統領が半裸で突っ立っていて気絶しそうになったですって。これまでに200本以上の映画で誰とでも寝ていたあなたらしくもないわね。

 あなたは自分の出ていた映画シーンと実際に起こったことを混同しているのよ。

ダニエルズ:本当に起こったことでなかったら、もっとましなシナリオを書いているわ。

 トランプ氏は終始、黙ったまま。目を閉じて、女性同士のやり取りを聞いていた。

トランプ氏はダニエルズさんとの性交を全面否定しているが、口止め料支払いは認めている)

 傍聴していた記者によると、2人のやり取りを聞いていた陪審員の中には失笑する者、天井を仰ぐ者もいた。傍聴席には何とも言えない虚しさが漂っていたという。