忠州市役所を突然退職したキム・ソンテ氏(2024年9月3日撮影、資料写真、写真:アフロ)
自治体ユーチューブの革命児
「忠州(チュンジュ)マン」は、韓国・忠清北道(チュンチョンブクト)チュンジュ市役所の広報担当として働いてきた公務員、キム・ソンテ主務官(38)のニックネームである。
彼は市の公式ユーチューブチャンネル「チュンTV」に出演しながら企画・制作も担い、「公務員ユーチューバー」「自治体インフルエンサー」として全国的に知名度を上げた。
地方都市をバズらせた「自治体ユーチューブ」の革命児といわれ、忠州市の公式チャンネル「チュンTV」は、自治体広報としては異例の約97万人の登録者数を目前にするほど成長していた。
その成長を牽引したのがチュンジュマンであり、彼は「お堅い広報」ではなく、ミーム(ネットで流行るネタ)やバラエティ番組風の笑える企画を次々に投稿し、「公共機関のユーチューブはつまらない」という固定観念を覆したと評価されている。
例えば、自治体の観光PRをお笑い番組のパロディ風に見せたり、行政情報をシュールなコント仕立てで伝えたりしてきた。
代表的なのは下水処理場のPRだろう。下水処理場でカレーやハヤシライスを食べて注目を浴びた。こういった「真面目さ」と「おふざけ」を絶妙に混ぜ合わせるスタイルで若年層の視線を忠州に引き寄せた。
そんなチュンジュマンが2026年2月、突如辞表を提出し、月末に退職すると伝えられたことで、韓国メディアとSNSは一気に騒然となった。
忠州市によれば、彼は人事部門に辞表を出した後、長期休暇に入ったため、具体的な進路については明らかにしていないとされる。
このニュースの直後、「チュンTV」の登録者は約97万人から76万人程度へと一気に減少し、わずか数日のうちに20万人以上が登録を解除したと報じられた。
自治体チャンネルとして「100万登録目前」だった象徴的なタイミングでの離脱だったため、「チュンジュマンがいなければ意味がない」という視聴者離れとして注目を集めている。