ロシアのプーチン大統領(2月17日撮影、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
プロローグ/2026年のロシア経済展望
今年1月1日、昭和101年が始まりました。
ただし、昭和元年は7日間しかなかったので、実質的には今年が昭和100年と言えるのかもしれません。
明治維新(明治政府発足は1868年)から約40年後は日露戦争(1904~1905年)。その約40年後は太平洋戦争(1941~1945年)、それから約40年後にはバブル最盛期からバブル崩壊へ向かった。
日本は約40年間隔で大きな節目を迎えているようです。
さて、次の40年後はどんな日本になっているのでしょうか?
米ユーラシア・グループは1月6日、恒例の世界10大リスクを発表。今年は米D.トランプ大統領関連が5項目入っています。
ちなみにトップ5は次の通りです。1位は「米国の政治革命」でした。
①米国の政治革命
②「電気国家」中国
③トランプ版モンロー主義
④包囲される欧州
⑤ロシアの第2の戦線
今年のリスクは「2026年は世界が安定へ向かう年ではなく、不確実性が常態化する年になる」との予測ですが、本稿では2026年のロシア経済を概観し、ウクライナ戦争の行く末を占ってみたいと思います。
最初に結論を書きます。
ロシア(露)の代表的油種ウラル原油は輸出ブランド名「REBCO(Russian Export Blend Crude Oil)」として商品登録されています。
昨年11月以降、ロシア石油産業は未知の領域に突入。REBCO油価がロシア国内の鉱区井戸元原油生産原価を大きく割り込んだのです。
すなわち、原油は赤字輸出になりました。この状態が長く続けば、ロシア石油産業の弱体化・崩壊は必至となりましょう。
ロシア経済の大黒柱が弱体化・崩壊すれば、ロシア財政も破綻します。戦費供給源が破綻すれば、戦費は枯渇します。
その結果、ウクライナ戦争は今年中に停戦して、終戦を迎えることになると予測します。
ロシアのV.プーチン大統領はウクライナ戦争において、何一つ初期目標を達成していません。短期決戦のはずが長期消耗戦となり、欧米による対露経済制裁は効果大にて、ロシア経済は確実に弱体化しています。
泥沼化したウクライナ戦争はプーチン大統領にとり誤算の連続となりました。
ウクライナ戦争は間もなく丸4年を迎えようとしています。「太平洋戦争」(3年9カ月)を超え、今年1月12日には独ソ戦(「祖国防衛戦争」/1941年6月22日~45年5月9日)を超える消耗戦となり、戦線は膠着状態。
ほぼ丸4年続く戦争ですが、プーチン大統領にとりこれは「戦争」ではなく、「対テロ作戦」の由。
ロシア軍もウクライナ軍も将兵は疲弊しており、兵員不足が表面化。ロシア国民の厭戦気分も徐々に醸成されてきましたが、ウクライナ国民はあくまでも「ウクライナの尊厳」を選択しました。
一方、米トランプ大統領はグリーンランド獲得に食指を動かしています。
領土は不動産ゆえ、売買の対象になります。ナポレオンはルイジアナ(現在のルイジアナ州周辺)を1500万ドルで米国に売却、帝政ロシアはアラスカを720万ドルの二束三文で米国に売却しましたが、これはあくまでも交渉の結果です。
米国は戦後、グリーンランドを1億ドル分の金塊でデンマーク政府に購入を持ち掛けましたが、デンマーク側は拒否。これは、同島の地政学的重要性を意味します。
ただし筆者は、ノルウェー領スバールバル諸島の重要性に世界はもっと目を向けるべきと考えています。
不確実性が常態化する2026年ですが、戦争経済により経済が持続的繁栄を享受することは不可能です。
プーチンの「対テロ作戦」はロシア経済を弱体化させています。今年はロシア国内の液状化現象が表面化して、プーチン失脚の可能性が朧気ながら透けて見えてくる年になるだろうと筆者は予測します。