第2部 2油種 (北海ブレント・露ウラル原油) 月次・日次油価推移 (2025年1月~26年2月)
次に、北海ブレント(スポットFOB)と露ウラル原油(露黒海沿岸ノヴォロシースク港出荷FOB)の2025年月次・日次油価推移と2026年2月中旬までの日次油価推移を概観します。
上述通りロシア軍によるウクライナ戦争開始直後、両油種の値差は一時期バレル$40以上に拡大しましたが、インドという新規市場が見つかり、値差は$12まで縮小しました。
ところが、昨年11月中旬の対露経済制裁措置強化の結果、値差は拡大。現在では、値差約$30の水準で推移しています。
ちなみに、EUは2022年12月5日、ロシア産海上輸送原油に対し上限油価バレル$60(FOB)導入合意、23年2月発動。その後上限価格を$47.6、今年26年2月以降は$44.1に引き下げました。
ロシアの井戸元原油生産原価は2024年第1四半期まで公表されており(31千ルーブル/トン)、その時点でのドル・ルーブル為替レートと1トン=7.3バレルで換算するとバレル約$47になります(後述)。
ゆえに、欧州が海上輸送による露産原油FOB上限油価を$60から$47.6に下げたのは意味ある数字です。
ロシア国内は広く、原油生産鉱区から出荷港までは国内原油PLで輸送します。この国内輸送費は距離により異なりますが$3~4程度と推定されるので、露産原油のFOB推定原価は$50前後になります。
2025年の露期首予算案想定油価は$69.7、26年の想定油価は$59です。
しかし、現行油価は既に井戸元原油生産原価$47を大きく割り込んでいるので、ロシアの石油会社は原油を生産すればするほど、輸出すればするほど赤字が増えます。
現に、ロシア第2の石油会社「ルークオイル」(一部メディアなどに見られる「ルクオイル」の表記は正しくない)は、既に海外資産の切り売りを始めました。
参考までに、2025年~2026年2月中旬のウラル原油の月次・日次油価推移は下記グラフの通りです。
下記グラフをご覧いただければお分かりの通り、昨年11月より北海ブレントと露ウラル原油の値差は急拡大して、ロシアのウラル原油は赤字輸出になりました。
