米国の経済制裁を受け国外資産を売却したロシアの石油大手ルークオイルが経営するガソリンスタンド(2025年10月28日撮影、写真:ロイター/アフロ)
(前編から読む)
第5部 ロシア産原油の新規代替市場/インドと中国
5-1. 新規市場インド:
欧米による対露経済制裁措置導入により、従来欧米に向かっていたウラル原油は輸出先を失い、インド向けに超安値販売となりました。
今ではロシア産原油輸出の約半分は中国向け(ESPO原油)、約4割はインド向け(ウラル原油)になっており、従来ロシア産原油を輸入していなかった国も輸入を開始しました。
下記グラフをご覧ください。開戦後、インド向け原油輸出が急増していることが一目瞭然です。
次に、2021年から2025年までのインドの露産原油輸入油価推移を概観します。
バルト海からインドまでの「影の船団」による海上輸送費はバレル$10以上と言われています。
ゆえに2025年までのウラル原油輸出は利益の少ない油価水準でしたが、昨年11月以降は油価急落により赤字輸出になっているものと推測されます。
5-2. 新規拡大市場中国:
一方、中国向けロシア産原油の大部分はウラル原油ではなく、軽質・スウィート原油のESPO原油です。
開戦後、中国はESPO原油輸入を拡大。2023年以降のロシア産原油輸入シェアは1位となり、サウジアラビアは2位に転落。ちなみに、中国の2015年から2025年までの露産原油輸入量推移は下記の通りです。
次に、中国の露産原油輸入油価推移を概観します。中国は原油PLによりESPO原油を輸入していますが(一部海上輸送)、本来あるべきCIF価格より大幅割安の油価になっています。
これはロシアの国益が中国に流出している構図にて、昨年11月以降は油価急落により、ほぼ利益の出ない輸出になっています。



