エピローグ/2026年のロシア展望とウクライナ戦争の帰趨

「戦争経済」により経済が持続的繁栄を享受することは不可能です。

 右肩上がりだった露ウラル原油の油価は、ウクライナ侵攻後に下落開始。欧米主要メジャーはロシアから撤退。ロシア経済は戦争経済に突入、国家財政は大幅赤字となりました。

 ロシア経済の大黒柱は、依然として石油・ガス産業です。

 世界最大のガス会社「ガスプロム」は欧州ガス市場という金城湯池を失い、PLガスの大手輸出先は中国のみになりました。しかし、その中国向けPLガス輸出価格も原油輸出同様、買い叩かれています。

 ロシア第2のガス会社Novatek社の2025年純利益は1830億ルーブル(約3600億円)となり、前年比▲63%と激減。

 EUはロシア産PLガスとLNG(液化天然ガス)を来年輸入停止予定にて、ガスプロムもNovatekもさらなる困難に直面することになります。

 今後も油価(ウラル原油)が井戸元生産原価以下の水準で推移すれば、ロシアでは今年中に倒産や吸収合併される石油会社もでてくるものと予測します。

 その結果、ロシア経済は弱体化、財政基盤は液状化必至。欧米の対ウクライナ経済・軍事支援が続くと仮定すれば、ロシアは戦費減少・枯渇により継戦能力を失い、停戦・終戦を余儀なくされることでしょう。

 ウクライナ戦争に関しては一見ロシア有利な戦況のように報じられていますが、上記の通り、ロシア財政と戦費面から分析すればロシアの台所は火の車です。

 ソ連邦崩壊の底流は油価低迷でした。

 新生ロシア連邦B.エリツィン初代大統領の辞任背景も油価低迷でした。

 現在の原油生産原価以下の油価低迷が続けば、早晩、プーチン大統領退陣の可能性も透けて見えてくるかもしれません。