第6部 ロシア国家予算案/2025年予算案実績と26年期首予算案概観

 本稿では、昨年2025年のロシア予算案遂行状況と今年2026年の期首予算案を概観します。

 ウラル原油の油価下落に伴い石油・ガス税収は激減。非石油・ガス税収増加はひとえに増税によるもので、昨年は利益税(法人税相当)や個人所得税等を増税。今年は付加価値税を20%から22%に増税しました。

項目 2024 実績 2025 実績(速報値) 2025年 期首予算案 2025年9月度 修正予算案
№414ФЗ 04.11.2025(11月4日承認)
国庫歳入(兆ルーブル) 36.709 37.284 40.296 37.085
石油・ガス税収 11.131 8.477 10.936 8.654
(内)地下資源採取税 12.2342 8.7386    
輸出関税 0.4863 0.4583    
非石油ガス税収 25.578 28.807 29.360 28.431
国庫歳出 40.181 42.928 41.469 42.821
赤字 / % GDP比 ▲3.472/-1.7% ▲5.645/-2.6% ▲1.173/-0.5% ▲5.736/-2.6%
(参考)ウラル原油想定油価 $67.9 $55.6 $69.7 $58

(出所:上下ともに露財務省統計資料と露各紙報道記事より筆者作成/現在1ルーブル約2円)

2026年ロシア国家予算案概観

 次に、2026~2028年のロシア期首予算案を概観します。2026年期首予算案を一言で申せばお花畑の予算案。理由は露ウラル原油の想定油価です。

 ウラル原油は現在バレル$40前後で推移しており、地政学的要因以外、油価趨勢は低迷傾向です。

 ゆえに、今年2026年の想定油価$59は超非現実的数字になります。ただし、ロシア政府は非現実的油価を承知の上で予算案を策定せざるを得なかったものと、筆者は推測しております。

 換言すれば、「ウクライナ戦争継続のためには最低想定油価$59が必要であった」とも言えましょうか。

項目 25年期首予算案 26年期首予算案 27年計画 28年計画
歳入(兆ルーブル) 40.296 40.283 42.910 45.869
(内)石油・ガス税収 10.936 8.918    
非石油・ガス税収 29.360 31.364    
歳出(兆ルーブル) 41.469 44.069 46.096 49.383
赤字・GDP比(%) ▲1.173/-0.5% ▲3.786/-1.6% ▲3.186/-1.2% ▲3.514/-1.3%
石油・ガス税収(%) 27.1% 22.1%    
$・ルーブル為替レート 96.5 92.2 95.8 100.1
想定油価(ウラル原油) $69.7 $59 $61→$58に修正 $65→$57
GDP(兆ルーブル)/成長率 214.6/2.5% 235.1/1.3% 255.5/2.8% 276.3/2.5%
想定インフレ(%) 4.5% 4% 4% 4%