「大人のIZU 本物のIZU」をコンセプトにデビューした「サフィール踊り子」。外観は海や空をはじめ、伊豆の雄大な自然を表現している
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(山﨑 友也:鉄道写真家)

サファイヤのような青く輝く伊豆の海と空をイメージ

 いくつもの温泉郷を有し、豊富で新鮮な海の幸が味わえることから人気がある伊豆エリア。首都圏からも近く、国内外を問わず多くの観光客が訪れているが、そんな彼らの大事な足として重宝されているのが、東京駅から乗り換えなしで伊豆へ直通する特急「踊り子」。

 車両はE257系といって、少し前までは「あずさ」や「かいじ」として中央本線で活躍していた車両をリニューアルしたものだ。おそらく皆さんが「踊り子」と聞いてイメージされるのはこちらの車両だろう。

 しかし「踊り子」にはもうひとつ、E261系という車両も走っているのをご存じだろうか。これは通常の「踊り子」よりも遙かに豪華で贅沢な車両なのである。

 JR、私鉄含め、日本にはさまざまな特急が走っているが、なかでも最高級と目される列車が、今回紹介するE261系「サフィール踊り子」である。サフィールとはフランス語で宝石のサファイヤを意味しており、青く輝く美しい伊豆の海と空をイメージさせ、上質で優雅な旅を楽しんでもらおうと名付けられた。

 その言葉にふさわしく、車両はすべてがグリーン車で、カフェテリアも併設されている。特筆すべきは1号車のプレミアムグリーン車だ。なんと座席が1+1列で、定員もわずか20名。リクライニングしても背もたれが後ろに倒れずシートが前にスライドするバックシェルの座席で、本革を使用しレッグレストも付いた電動式。海を背景に、天窓や大きな側窓から差し込む光を浴びてくつろぐようすは、さながら高級リゾートホテルである。

伊豆急下田寄りの1号車はプレミアムグリーン車。海の方角へ30度ほど座席を回すこともできる

 2~3号車はグリーン個室。4名までと6名までが利用できる2つのタイプが用意され、気分や状況にあわせて照明も4パターン選べるという。5~8号車はグリーン車だが、2+1列の座席で快適だ。シートは東北・北海道新幹線を走るE5系のグリーン車でも使用されているリクライニングシートが使用され、在来線の特急とは思えない最高の環境である。

家族連れや友人と旅行する人たちのために、ソファ席を配したグリーン個室。写真は1~6名用

 どの車両も開放感を覚えるのは、荷物棚をなくしたり、ガラス製にして、天窓を設けたからだろう。これにより明るく広々とした空間が演出されている。