文・写真=山﨑友也 取材協力=春燈社(小西眞由美)
車体の半分以上が窓
秋も深まり、紅葉も各地で見頃を迎えているなか、京都はやはり外せない観光地のひとつである。市内には多くの鉄道路線が走っているが、車窓から紅葉を楽しみたい人にオススメなのが叡山電車だ。
地元の人たちには「えいでん」と呼ばれ、市街地北部にある出町柳を起点に八瀬比叡山口を結ぶ叡山本線と、途中の宝ケ池から鞍馬までを結ぶ鞍馬線の2路線あり、それぞれ比叡山や、貴船神社、鞍馬寺などの観光の足としても利用されている。
今回取り上げるのは鞍馬線。支線ではあるがほぼすべての列車が出町柳から出発しているため、乗り換えることなく終点の鞍馬まで向かうことができる。この鞍馬線を走っているのが展望列車「きらら」である。
「きらら」は他の車両に比べて大きなガラス窓が特徴で、特に前面は車体の半分以上が窓という大胆なスタイルだ。そのため横からも前からも眺望が効き、移りかわる景色が堪能できる。列車は2両編成で、通常は壁となっている連結部にも窓を採用しているという徹底ぶり。車内は1+2の3列シートだが、2列側の中央付近の8席は窓を向いた配置となっているため、パノラミックな展望がより楽しめる。
このように沿線の風景を眺めることに特化した「きらら」であるが、なんと特別料金は不要で乗車券のみで利用できる大変お得な列車である。「えいでん」のホームページに「きらら」使用の列車の時刻が載っているので、是非チェックしてもらいたい。