ヌードルをメインとした料理が振る舞われるカフェテリア
そして気になるのは4号車のカフェテリア。海を向いたカウンター席と山側のボックス席とがあり、ヌードルをメインとした料理が振る舞われる。なぜ豪華リゾート列車で麺なのかというと、これは目的地である伊豆の食事と被らないようにするという配慮から。また日本の麺文化に触れてもらおうと、インバウンドも意識してとのことらしい。鉄道好きであれば、現在は稀少となってしまっている食堂車の車両記号である「シ」の文字を、是非ともチェックしてもらいたい。
オープンスタイルのキッチンを構えるカフェテリア。専用サイトの「サフィールPay」よりスマートフォンでメニューを予約する
このように最上の付加価値を秘めた「サフィール踊り子」だが、もちろん製造するコストは限られているため、開発は相当難航したという。もともと2編成しか造らないため量産によるコスト削減が図りにくいなかで、高級感も求めなければならない。そのような状況でもっとも難航したのは素材選びだった。
当初は天然の石や木を使う意見もあったが、耐久性や加工性能、メンテナンスなどを考慮すると、そう簡単には使用できない。素材メーカーにいくつものサンプルをオーダーして試行錯誤を繰り返し、異なるデザインの号車のなかに共通化を見出してコストダウンに励んでいった。結果、すべての素材が決まるまで2年近くもかかったという。
満開の河津川を渡る「サフィール踊り子」。色のコントラストが映えすぎる
こうして2020年に晴れてデビューを果たした「サフィール踊り子」。これからの時期、沿線ではちょうど河津桜が満開を迎え、河津川沿いは鮮やかなピンク色と黄色い菜の花で彩りは最高潮。豪華な列車で体を癒やしたら、優雅な色彩で心を癒やす。まさにこれこそがこの春ぴったりの贅沢旅ではないだろうか。
(編集協力:春燈社 小西眞由美)




