トランプ氏の爆弾発言には意図もありそうだ(写真は5月1日、ミシガン州フリーランドでの演説、写真:AP/アフロ)

NATO侵略教唆発言に次ぐ同盟国批判

 ドナルド・トランプ前米大統領(77)が4月30日発行の米タイム誌のインタビューで、大統領選で勝利した場合の自らの第2期政権の内政外交政策について語った。

time.com/donald-trump-transcript-2024-election/

nknews.org/trump-implies-us-could-withdraw-troops-if-wealthy-south-korea-doesnt-pay-more/

 トランプ氏は1時間余にわたるインタビューとその後電話での追加インタビューのなかで、現在ホノルルで行われている米韓防衛分担協議(SMA=Special Measures Agreement)を踏まえてか(?)、持論の「韓国のただ乗り」を蒸し返した。

「私は大統領当時、豊かな国家である韓国との防衛分担交渉に苛立った」

「韓国は韓国駐留の4万人(事実誤認で現在は2万8500人)の米軍のために事実上、一切カネを払っていない*1

「米軍は軍事上、危険な場所に駐留している。韓国の隣には、私とはうまくいっていた人物(金正恩・朝鮮労働党総書記)ではあるが、特定のビジョンを持つ人物が控えている」

「私は韓国の指導者にもっとカネを出せ、その時期がきたと言ってきた」

「韓国は豊かな国になっている。ところが米国は、本質的には韓国の防衛費用の大半を払っている。韓国はただ乗りしているのだ」

「韓国はバイデン政権当局者と防衛分担費用で交渉しているが、その額はどんどん下がっており、かつてと同じレベルだ。これは何も払わないのと同じだ」

「韓国が米軍の駐留費を出さないのなら米軍の撤退もありうる」

 トランプ氏は2月10日、サウスカロライナ州での選挙演説会で北大西洋条約機構(NATO)加盟国の防衛分担不足を批判、ロシアに「義務不履行な国を侵略したければするがいい」とまで発言していた。

*1=韓国統計庁のデータによれば、韓国の防衛分担金は2020年9500億ウォン(6億8787万ドル)から一気に1兆400億ウォン(7億5310万ドル)に急増、2023年は1兆2390億ウォン(9億3775万ドル)になっている。増加率は2021年13.9%、2022年5.4%、2023年は4.4%となっている。

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