不思議の国ニッポン、自民党副総裁がトランプと会って何が問題なのか
同盟国なら政治家が大統領候補と政策論議するのは当たり前
2024.4.26(金)
高濱 賛
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キャメロン、トランプに米議会工作を直談判
訪米中の自民党・麻生太郎副総裁(元首相、83歳)が4月23日午後(日本時間24日午前)、ニューヨークのトランプタワーでドナルド・トランプ前米大統領と会談した。
(bloomberg.com/japan-s-former-premier-aso-to-meet-trump-as-us-election-looms)
(usnews.com/ex-japan-pm-aso-to-meet-with-trump-on-tuesday-tv-tokyo-says)
11月の大統領選でトランプ氏が返り咲くことを想定した麻生氏はじめ自民党、政財官界にくすぶっている「もしトラ」に備えたパイプ作りだ、と麻生氏周辺は説明している。
トランプ氏は、肝胆相照らす関係にあった安倍晋三元首相の「盟友」麻生氏ということで、選挙キャンペーンと裁判に忙しい最中、遠来の客に会ったのだろう。
それにトランプ氏にとって麻生氏は粗末にできない。
高祖父は大久保利通、祖父が吉田茂、実妹は寛仁親王妃信子さまだ。それに政界きっての資産家であり、これ以上望めないほどの輝かしい政治歴を持ち、高齢者だが首相選びには隠然たる影響力を持つ派閥のボスだ。
ワシントンの日米関係に詳しい政治通V氏はこう見る。
「再選を狙うトランプ氏にとっては、同盟国の日本が『もしトラ』を想定して、そんな大物を寄越してくれたとあれば、自尊心をくすぐられる」
「特に『口止め料・政治資金流用』裁判に連日出頭している最中とあれば、一服の鎮静剤にはなったはずだ」
「むろん、大統領選でのライバル、ジョー・バイデン大統領への当てつけの意味もあるだろうが、そんなことをバイデン政権は気にかけていない」
(麻生氏はバイデン氏やアントニー・ブリンケン国務長官、両党議会最高幹部とは会談せずに帰国の途についたようだ)
「トランプ氏は4月6日、英国の元首相で外相のデイビッド・キャメロン氏とフロリダ州の自宅マール・ア・ラーゴで会談していた」
「この会談は英外務省が事前に発表したため大々的に報道されたが、トランプ・麻生会談はそれほど大騒ぎしたというわけではない」
トランプ氏はこの日もニューヨーク州マンハッタン地区地裁での「選挙資金口止め両乱用」刑事裁判の合間を縫っての会談だった。
結審(有罪か無罪か)は7月4日の米独立記念日頃とされる。それまで週4日間出廷と、長丁場が続く。
その間、外国首脳(首脳格)の「トランプ詣で」が続いている。
トランプ氏の「シャドー外交」(影の外交)は会談内容はともかくとして、熱狂的な支持者たちにとってはインプレッシブな(感銘を受ける)出来事だ。
「世界がトランプ氏のカムバックを期待している表れ」とみるからだ。