「同盟国同士の標準慣行」か内政干渉か

 キャメロン氏のトランプ詣でには、並々ならぬ決意のほどがあった。

 キャメロン氏は、「同盟国同士の標準慣行」を使って内政不干渉ギリギリのトランプ氏説得に動いたのだった。

 他方、麻生氏はどうだったのか。

 かなり前からトランプ氏との接触に動いていた。

 かつてトランプ大統領にポリティカル・アポインティー(政治任用)で駐日米大使に指名されたウイリアム・ハガティ―上院議員(共和、テネシー州選出)や保守系シンクタンクなどの人脈を通じて会談の機会を狙ってきたとされる。

 与党の最高幹部が米野党の大統領共和党候補に確定しているトランプ氏と会談することには疑義を唱える向きも少なくない。

 岸田文雄首相が国賓待遇で訪米し、バイデン氏と日米同盟の深化を誓い合ったのにその直後に、なぜ、といった声だ。

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 4月23日、外務省の会見で朝日新聞記者は、上川陽子外相にこう問いただした。

「岸田首相が国賓待遇で米国を訪問し、バイデン大統領とグローバル・パートナーを確認し合った。(その直後に)元首相である麻生氏が訪米し、共和党のトランプ前大統領と会うことの意義について、どうお考えか」

「麻生氏とトランプ氏の面会が実際に実現した場合、今後の日米関係にどのような影響を与えるか」

 これに対して、上川氏はこう答えている。