ホワイトハウスでバイデン大統領夫妻の歓迎を受けた岸田首相夫妻(4月9日、写真:AP/アフロ)

地域の環境に投影させる日米軍事同盟

 岸田文雄首相が1年ぶりに訪米、ジョー・バイデン大統領と会談した。

 国賓待遇(首相は国家元首ではないため国賓ではない)として歓待され、米議会で演説する。6年前の歴史的な安倍晋三首相(当時)の議会演説以来だった。

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pbs.org/watch-live-biden-and-japanese-prime-minister-kishida-hold-joint-news-conference

 バイデン政権は、今回の訪米をこう定義づけた。

「急速に深化した日米軍事同盟をさらに統合し、協力、強調できるように構造改革して地域の環境に投影させるものだ」(ラーム・エマニエル駐日米大使)

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 ご存じのように、エマニュエル氏はキャリア外交官ではない。大統領が政治的に選んだポリティカル・アポインティー(政治任用)である。

 通常、大統領選の際に集票あるいは選挙資金調達で貢献した者か、政権与党内の重鎮から大使に選ばれるケースが多い。

 エマニュエル氏はビル・クリントン大統領の政策担当上級顧問を5年間務めた後、2002年から下院議員3期6年を務め上げ、2009年からバラク・オバマ大統領の首席補佐官を2年務めた。

 その後、シカゴ市長選に立候補して当選するなど目まぐるしくポストを変えて、バイデン政権誕生と同時に現職に就いた(同氏が切望して駐日米大使になった)。

 着任当初から日米関係だけでなく対中スタンスでも歯に衣を着せぬ「挑発発言」を繰り返している。

 バイデン氏とはいつでも電話で話せる間柄であり、民主党の実力者ということで、その言動は本省(国務省)の意向などお構いなしだ。

 駐日大使の後は何をやるのか。不気味な存在である。

 その意味ではエマニュエル氏の発言は、ただ単にバイデン大統領の公式見解というだけでなく、民主党政権を支える官僚組織エリート集団が今回の日米首脳会談で達成したかった目的をずばり公言したものとみていい。