米国民の対日好感度はカナダと並んで世界一

 エマニュエル氏が「日米同盟の構造改革」とその意味を高く評価しているにもかかわらず、前出のG氏が指摘しているように(「御三家」を除けば)ほとんどの米メディアは6年前の安倍訪米の時のようには騒いではいない。

 なぜか。

 米国市民にとっては、日米が安全保障面で合体しようと、一体化しようと、別に驚くべきニュースではないからだ。

 これまでの経緯からそれは「当たり前」であって、今さら大騒ぎするような話ではないのだ。

 むろん今、日本との同盟強化に反対する米国民はまずいない。

 防衛分担費の倍増を要求するドナルド・トランプ共和党大統領候補(前大統領)とその支持者たちですら日米同盟強化には異議を唱えていない。

「もしトラ」が実現すれば、今回の合意がどうなるのか、日本のメディアの中には警戒する識者の見解を引用しているものもある)

 日米軍事組織の一体化が当たり前のように米国で受け入れられている背景には、巷に吹き荒れる日本ブームがあるかもしれない。

「スーパー・ユニコーン」となったドジャースの大谷翔平選手、テレビドラマの「The Shogun将軍」、アカデミー賞受賞の宮崎アニメ、ハリウッドをうならせたVFX技術の「ゴジラ-1.0」などを通じて、米一般市民には日本人がより身近な存在になっている。

 同じアジアの大国・中国に対して米国一般大衆は嫌悪感を増幅させ、敵視しているのに対し、日本には気持ちが悪い(?)ほど、親近感を抱いている。

 3月18日に公表されたギャラップ世論調査では、日本はカナダと並んで「米国人が最も好きな国」に選ばれた。

 1位の日本、カナダともに83%、次いで英国82%、ドイツ79%、フランス78%と白人キリスト教国家が続いた。アジアの友好国は、台湾77%、韓国が72%。

 中国は「最も嫌いな国」のトップで41%、2位はロシア26%、3位はイラン9%だった。

news.gallup.com/americans-china-nation-top-foe-russia-second