米国の上下両院合同会議で演説した岸田文雄首相(4月11日、写真:USA TODAY Network/アフロ)

垣間見られたトランプへの気遣い 

 世論調査を見る限り、ジョー・バイデン大統領が11月の大統領選で勝つか、「刑事被告人」ドナルド・トランプ前大統領が勝つか分からない。

 選挙通によれば、勝敗を占う世論調査はレイバー・デイ(9月2日)後の世論調査だという。

realclearpolling.com/latest-polls

「もしトラ」を想定する日本の官僚エリート集団が、岸田文雄首相の訪米に際して、一番気を使ったのはトランプ氏への気遣いだったとされる。

 トランプ氏は日本にとっては特別な人だ。故・安倍晋三首相(当時)と馬が合った。

(2020年、安倍氏がトランプ当選直後から急接近し、個人的な関係を築いたからだった)

 また同氏は、今上天皇が即位後、外国の国家元首として初めて招いた人物である。

 再選されても、全く無縁な人物ではない。しかも日本の政財界は従来から「共和党贔屓」なところがある。日本の外務防衛専門家には共和党人脈が少なくない。

「もしトラ」を待望する論調にはそうした背景がある。

 岸田訪米を前に一部米メディアは「日本はトランプ再来を予測し、準備している」と報じた。

 ワシントン・ポストは、「もしトラ:日本はドン・キホーテ的な米大統領の再来に準備怠りなし(’If Trump’: Japan readies for the return of a quixotic American president)と題するミシェル・イ・ヒー・リー東京支局長の記事を掲載した。

washingtonpost.com/japan-donald-trump-moshi-tora/

 政治専門サイト「ポリティコ・マガジン」(4月9日付)は、元英フィナンシャル・タイムズ編集長のライオネル・バーバー氏が書いた論考を掲載した。

 タイトルは「アジアにおける長年の同盟国はなぜトランプ再選をそんなに心配しているのか」(Why America’s longtime Ally in Asia is so anxious about Trump 2.0)。

 サブタイトルは「日本の政財界エリートたちに広がるトランプ再登場の可能性が醸し出す不安感」(The possible return of Donald Trump to the White House has bred a deep sense of insecurity among of Japan’s business and political elites)。

politico.com/japan-prepares-second-trump-presidency