環境活動家として知られるグレタ氏はガザ支援などに力を入れている(写真:ロイター/アフロ)
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(松沢 みゆき:在スウェーデンのジャーナリスト)

グレタ氏はもはや「Z世代の代表」ではない

 欧州のZ世代、特に筆者が住むスウェーデンをはじめとする北欧の若者たちは今、転換点にある。環境活動家として世界的に知られるグレタ・トゥーンベリ氏のような「リベラルで環境重視な若者像」というステレオタイプは根底から覆されつつある。

 その一方で広がっているのが、実利とリアリズムを重視する「右傾化」とも呼べる地殻変動だ。

 Z世代とは、一般に1990年代半ばから2010年代前半に生まれた世代を指す。23歳のグレタ氏もその一人である。

 かつてスウェーデンのZ世代といえば、グレタ氏に象徴される「気候正義(Climate Justice)」の旗手として世界をリードしていた。

 2018年、彼女が15歳のときにストックホルム国会議事堂前で始めた「金曜日のための学校ストライキ」は世界中の若者を惹き付け、彼女は瞬く間に世界的なアイコンとなった。2019年には米Time誌のパーソン・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、「グレタ世代」という言葉が生まれるほど、Z世代の環境意識の象徴となっていた。

 しかし、現在の彼女はもはや「Z世代の代表」とは言い難い。