「学校選挙」が示した衝撃的な右傾化

 これは国政選挙や欧州議会選挙に合わせて、中学7~9年生と高校生を対象に、実際の選挙前に行われる模擬選挙のこと。法的な効力はないものの、数年後に有権者となる若者の意識を映し出す「先行指標」とされる。

 とりわけ、2024年の欧州議会選挙に合わせたスコーヴァルの結果は、衝撃的だった。保守本流の「穏健党」が24.00%、そして右派ポピュリズムの「スウェーデン民主党」が24.53%を獲得し、両党で約半数を占めるという、歴史的な右傾化を示したからだ。

 かつて若者の圧倒的支持を集めていた環境党や左翼党を、保守・右派連合が完全に凌駕したのである。

 スウェーデンのZ世代が右傾化している背景には、ギャングによる銃撃事件のような組織犯罪が急増し、治安の悪化を体感していること、また、急速な移民受け入れによる社会の不安定化といったことが指摘されている。

 ヨーテボリ大学がまとめた報告書によると、特に若年男性の右傾化が顕著となっており、生活への満足度について「非常に満足」と答えた回答が減少し、国の方向性について「悪い方向」とした回答者が全体の58%と過半数となった。

 2026年9月に予定されているスウェーデンの総選挙では、初めて投票するZ世代が大量に有権者に加わる。この選挙でZ世代は「リベラルの牙城」を崩す決定的な票田となる可能性があるのだ。