現在起きているのは「空想的リベラリズムからの脱却」

 若者は右傾化し、リベラルが支持を失ったのは、従来のリベラル・エリートによる政策が失敗に終わったからだ。

 たとえば、行き過ぎた環境政策もそうだ。エネルギー価格の上昇は市民に光熱費負担を増大させ、さらには産業競争力をも削いだ。

 そして、移民の大量受け入れは、文化的な摩擦と治安の悪化を招き、社会を分断した。

 残念なことにウクライナ支援もリベラルに対する反発につながっている。自国民が経済的に苦しむ中で、ウクライナへの無条件な軍事支援を優先する姿勢が、「自分たちは見捨てられた」という疎外感を生んだのだ。

 EUがほぼ強制し、欧州の各国政府が導入した政策の多くが、結果として市民を疲弊させる結果を招いた。

 現在起きている事態は、「右傾化」だけでなく、「空想的リベラリズムからの脱却」なのである。

 Z世代は、自分たちの未来を破壊する経済政策や社会を不安定にする理想に対して、ノーを突きつけ始めた。

「世界で最も進歩的な福祉国家」として知られ、リベラルの象徴だったスウェーデンはどこへ向かうのか。右傾化するZ世代が投票する9月の総選挙で、その方向がはっきりするのだろうか。