昨年11月には米韓合同空中訓練「フリーダム・フラッグ」が実施されている(提供:Defense Ministry/ZUMA Press/アフロ)
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 朝鮮戦争後の1953年に締結された米韓相互防衛条約から73年。韓国の安保はもちろん、東アジアの平和を支えてきた「米韓同盟」の足並みが、ここへ来て尋常ではない。

 李在明(イ・ジェミョン)政権発足後、米韓間の「安保不協和音」が随所で際立っているからだ。政権発足当初から米政界で根強く提起されてきた「親北・親中・反米」傾向への懸念が、安保現場における「亀裂」として実体化しつつある。

 その象徴的な事件が、去る2月18日、西海(黄海)上で発生した在韓米軍と中国軍戦闘機の対峙状況である。

在韓米軍機と中国人民解放軍機がレーザー照射合戦、韓国政府が抗議したのは在韓米軍

 公海上で正当な単独訓練を行っていた在韓米軍機に対し、中国軍機がレーダー照射(ロックオン)を含む一触即発の挑発を仕掛けた際、韓国政府はあろうことか中国ではなく、同盟国である「米国側」に強く抗議したのである。

 2月18日と19日の両日、在韓米軍は平沢(ピョンテク)の烏山(オサン)空軍基地所属のF-16戦闘機10余機を動員し、韓国・西海の公海上で大規模な単独訓練を実施した。

 通常の訓練とは異なり、今回は空対空ミサイルなどの「実弾」を装着した状態であり、2日間で100回以上のソーティ(出撃回数)を記録する高強度な作戦遂行であったという。

 訓練初日の18日、グアムから離陸した米戦略資産であるB-52H爆撃機が西海に進入すると、在韓米軍のF-16編隊がこれを近距離で護衛し、中国の防空識別圏(CADIZ)付近まで接近して飛行した。米軍機の接近に対し、中国人民解放軍は最新鋭のJ-16およびJ-11B戦闘機を緊急発進させ、両軍の戦闘機は西海の公海上で互いをレーダー照射(ロックオン)したり近接飛行を行ったりするなど、凄まじい心理戦を繰り広げたという。

中国人民解放軍の戦闘爆撃機「J-16」(写真:CFOTO/共同通信イメージズ)

 しかし、これに対する韓国政府の予想外の対応が、米韓同盟の亀裂を象徴する事件として浮上した。