尹錫悦前大統領への判決を伝えるテレビ画面(2月19日ソウル市内で、写真:ロイター/アフロ)

尹錫悦・前大統領に無期懲役の判決

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 2月19日午後3時、韓国のソウル中央地裁417号法廷において、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領は、2024年12月3日の「非常戒厳(宣言)」(12・3非常戒厳)をめぐる内乱首謀罪などについて、無期懲役(求刑・死刑)の判決を言い渡された。

参考:「死刑求刑された韓国の尹錫悦前大統領、なぜ韓国の大統領は退任後に厳しい糾弾を受けやすいのか」(JBpress、2026年1月19日)

 今回の判決は、韓国の司法判断として極めて重く、政治・軍・社会に広範な影響を及ぼすことが確実視されている。

 この判決は、単なる一政治家の裁きにとどまらない。韓国政治の構造、そして軍の統治・指揮体系にまで影響を及ぼす歴史的な判断となる可能性がある。

 実際、韓国軍内部ではすでに「12・3非常戒厳」をめぐる大規模な処分が進行している。

 海軍参謀総長や陸軍地上作戦司令官といった現役の「4つ星」が相次いで職務から外され(職務停止を含む)、将官・幹部に対する懲戒や捜査も続いている。

(編集部注:日本の自衛隊や韓国軍などで4つ星将官と呼ばれるのは、統合幕僚長や陸海空の各幕僚長で、陸将・海将・空将と階級は同じだがポストと権限が異なる)

 軍関係者からは「上官命令に従っただけだ」との声や、「組織がいつ安定するのか分からない」という不安が漏れている。

 こうした軍内部の動揺は、今回の判決が持つ政治的・制度的な意味をいっそう重くしている。

 韓国軍は建国以来、政治と密接に結びついてきた歴史を持つ。

 ゆえに、この判決を読み解くには、韓国のクーデター史、軍の政治化の過程、北朝鮮との軍事バランス、さらには米国・日本への波及まで、複合的な視点が不可欠となる。