北朝鮮から見た今回の判決

 北朝鮮は韓国の内部対立を宣伝材料や戦略的機会として利用する傾向がある。本判決は北朝鮮にとって二面的に受け止められる可能性がある。

 短期的には、判決に伴う政治的混乱や分断が顕在化すれば、北朝鮮はそれを宣伝や心理戦に利用し、国内外に向けて韓国の脆弱性を強調する材料を得るため、情報戦やプロパガンダ活動が活発化する恐れがある。

 一方で、司法による政治介入の違法化はクーデターの制度的可能性を低下させる方向に働くため、中長期的には韓国の政治的安定性を高め、北にとって必ずしも一方的に有利とは言えない。

 したがって、判決は短期的な宣伝材料の供給を増やす一方で、中長期的には制度的抑止を強化する効果も期待される。

 司法判断を単独で終わらせず、人事の透明化・監視体制の強化・説明責任の徹底といった制度改革と結びつけることが、対北抑止力の回復・強化のために重要である。

日本・日韓関係への影響

 韓国軍の安定は日本の安全保障に直結する。

 文民統制の強化は日韓防衛協力にプラスだが、軍の政治化が進む場合、対北・対中戦略の安定性に影響が出る。

 日本としては、韓国軍の専門性と中立性の維持を重視する必要がある。