構造的視点:韓国軍が抱える課題
韓国軍の問題は個別の事件にとどまらず、構造的な性質を持つ。
李在明政権の誕生や「12・3非常戒厳」の発生に北朝鮮の対韓工作がどの程度寄与したかは現時点で明確な証拠はない。
しかし、以下の事実は北朝鮮が期待する成果と合致する結果となっていると考えられる。
すなわち、期せずして、あるいは工作の可能性も含め、韓国内の政治的分断や軍の政治化といった北にとって好都合な状況が生じた面があり、これが対北関係における北朝鮮の戦略的利益に資する可能性がある。
国家戦略の不在
政権交代ごとに対北政策が大きく変わるため、軍は長期的な戦略の継続性を確保しにくい。
軍の政治依存体質
昇進や配置が政権の意向に左右されるため、軍人が政治を忖度する構造が生まれる。
今回の判決はこの体質を見直す契機となり得るが、政権による人事介入が続けば、むしろ政治的依存が深化・悪化する恐れもある。
北朝鮮の政治戦への脆弱性
政権による軍の政治的動員とは、政権が人事や治安出動、情報・資金・儀礼的動員を通じて軍を政治目的に利用することであり、これにより軍の中立性と専門性が損なわれるだけでなく、北朝鮮は韓国の政治的分断を戦略的に活用して対北関係で戦略的優位を得る好機を与えかねない。