北極海に浮上した米海軍の潜水艦(Pixabayからの画像)

世界の火薬庫の地図に加わった「北極」

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 世界の緊張地帯といえば、バルカン半島、中東、ウクライナ、台湾海峡、朝鮮半島が思い浮かぶ。

 これらは民族・宗教・領土といった内部火種に大国が介入することで爆発する、いわば「内部火種型の火薬庫」である。

 しかし21世紀に入り、世界の火薬庫は新たな形を取り始めている。

 地球温暖化によって北極海の氷が急速に後退し、これまで地政学の「空白地帯」だった北極圏が一気に大国の争奪対象へと変貌した。

 その象徴が、北極圏最大の島・グリーンランドだ。ここでは民族対立は弱い。代わりに、

・レアアース
・北極航路
・米軍基地
・EUの資源戦略
・ロシアの北極軍事圏
・中国の「氷上のシルクロード」

 といった外部要因が火種となり、大国の利害衝突が火薬庫を生むという21世紀型の危険地帯が形成されつつある。

 さらに北極海の融解は、日本列島の戦略的位置を一段と高めるという副作用をもたらす。

 北極海航路が本格的に通行可能となれば、中国にとって日本列島は、
太平洋へ出るための「避けて通れない3つの海峡(宗谷・津軽・対馬)」として、これまで以上に戦略的価値を持つからである。

 グリーンランドと日本列島は、北極圏の変化によって一本の線でつながり始めている。