グレートゲームのシナリオ予測(2026〜2035)

 21世紀に入り、地球温暖化による北極海の融解が進むと、北極圏は「地政学の空白地帯」から一転して大国の争奪空間へと変貌した。

 レアアース、北極航路、軍事拠点という3つの戦略資源が重なり、米・欧・中・ロが同時に利害を衝突させ始めたことで、北極版の「グレートゲーム」が幕を開けた。

 以下、今後のグレートゲームの展開について、4つのシナリオを提示したい。
 
シナリオA:米国による事実上の保護国化が進む(最有力)

・米軍基地の拡張
・レアアース開発への米企業参入
・デンマークとの摩擦増大
・EUとの対立激化

 北極版「米欧分断」が進む。
 
シナリオB:EUが資源外交で巻き返し、米国と対抗

・EUのレアアース戦略が本格化
・グリーンランド独立派がEU寄りに傾く
・米国との摩擦が増大

 北極圏が米欧の新たな対立軸となる。

シナリオC:ロシア・中国は限定的関与にとどまる(現実的)

・ロシアはウクライナ戦争で余力不足
・中国は北極圏での影響力が限定的

 米欧の対立が主軸となり、ロ中は周辺的プレイヤーに。

シナリオD:グリーンランド独立が現実味を帯びる(長期)

・レアアース収入で財政基盤が強化
・米国の圧力が独立派を刺激
・デンマークとの関係が緊張

「独立グリーンランド」をめぐり米欧が再び衝突する。