前橋市長選で再選を決め、記者団の取材に応じる小川晶氏=今年1月12日(写真:共同通信社)
「高市早苗が内閣総理大臣でよいのかどうか。今、主権者たる国民の皆様に決めていただく。それしかない」
1月19日、記者会見で衆院解散を表明した高市早苗首相。冒頭発言に度肝を抜かれた…というか呆れた。
読売新聞が1月9日に「解散へ」とスクープを報じて以来、初の公式発言。そんな理由で? ついひと月前は「目の前でやらなければいけないことが山ほど控えておりますので、解散については考えている暇がございません」と言っていた。やるべきことが片付いたのか。あるいは、暇になったのか。
高市氏が内閣総理大臣でよいかどうかどころか、国会議員でよいのかどうかすら、奈良2区の有権者でない私には投票で示すことはできない。この問いかけにどう応えればよいのか。公示から1週間後にようやく届いた投票所入場券を前に、怒りが収まらない。
突然降ってわいた解散総選挙。投票日は2日後に迫る。
日本中が大騒ぎした地方の首長選挙
悶々としていた1月下旬、「前橋市の小川晶市長の件について宮崎さんはどう考えますか」と尋ねられた。衆院選に気を取られてすでに記憶の彼方だが、高市会見のわずか1週間前の1月12日に投開票があったのが前橋市長選だった。
説明するまでもないが、小川氏は、既婚者である部下の男性幹部職員と複数回ラブホテルで面会していたことが昨年9月に報道で発覚。市議会7会派から辞職勧告書を突きつけられ、不信任案の動きが出ると、11月末に辞職願を提出した。
男性職員は翌月、懲戒処分を受け、同月末に依願退職した。小川氏は、ラブホ利用の名目は打ち合わせで、男女の関係はないと説明し続けているが「ラブホ市長」の話題は全国を駆け巡った。辞職後の小川氏は出直し市長選に立候補した。
私でいいですか――。まさに、政治家個人の信任を問うた選挙だった。小川氏も「自分自身に対する判断を仰ぐ選挙になる」と位置付けた。
そして、前橋市民の有権者は、その投げかけに直接応える一票を持っていた。
蓋を開ければ、投票率が8ポイント近く上がる中、いわゆる「ゼロ打ち」での再選。正直、驚いた。